沈黙が、私を支える。


by aoinote101

ゴッホ展に行ってきました!

 特定の画家の展覧会は、作品を鑑賞すること意外に、画家の精神世界に触れることのできる良い機会だと思う。ゴッホの作品にさほど興味のなかった私も、今回いくつかの作品と彼の内面に強く引かれた。明るく斬新な画風に何が隠されているのか考えもしなかったが、まず、最初に彼が画家を志すきっかけとなったボートンの「カンタベリーへと出発する巡礼者たち」に驚く。伝道師の資格を得ることが出来ずに画商で働いていた彼が、画家になる決意をしたのは、「人生は巡礼のようなもの」と感じさせられたこの絵だった。
 ゴッホが書いた宗教画は5枚しかない。しかも、そのすべては模写だ。牧師の家に生まれて、自らも牧師になる夢を持っていた彼にとって宗教は大きな影響を与えたものであったに違いない。しかし、彼自身の描いたオリジナルの宗教画がないことにも私は驚いた。では、彼の描いたほかの作品のすべてに、私は彼の「孤独」と「宗教心」を見つけることが出来るのではないかと期待した。そして、それは真実であったと思う。
 暗い色調の初期の作品にも、ゴッホらしい後期の,明るい色調の線で描いてゆく技法を用いた作品にも、彼が求めるものを切実に感じた。「生きていることは苦しい」とすら感じる。ゴッホは自らの作品に「慰め」「永遠」「無限」を表現しようとしたという。

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 今回の出展作品で私の心に残ったのは、彼の「芸術家としての自画像」だった。彼は多くの自画像を残しているが、ひと目で画家であることがわかる自画像はこの一点しかない。青いシャツに黄色とオレンジを施して、全体的にゴッホらしい明るく美しい肖像画であるにもかかわらず、その目は灰色の空洞のように見える。その明るさと寂しさは強いコントラストを作り、私に訴えかけてくる…画家として生きる彼の苦悩を映しているように思えた。
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by aoinote101 | 2005-07-09 22:20 | My favorite thing